
レビー小体型認知症に対する治療薬として世界で初めて認められた薬剤です。
元々は、初のアルツハイマー型認知症の治療薬として承認されており、日本では1999年1に「軽度及び中等度アルツハイマー型認知症」を適応症として3mg、5mgが承認され、その後、2007年に「高度アルツハイマー型認知症」の適応症が追加承認され、10mgまでの処方が行われるようになりました。
当初は、アルツハイマー型認知症のみでしか承認がおりなかったのですが、2014年に日本で新たに、レビー小体型認知症にも効果・効能があるという承認がおり、世界で初のアルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症治療剤になりました。
【レビー小体型認知症におけるアリセプトの効果】
レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制。
※あくまで、認知症症状の進行抑制である為に、完治するまでの効果は保障されていません。
【レビー小体型認知症におけるアリセプトの用法・用量】
①通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。
②5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により5mgまで減量できる。
上記の内容はレビー小体型認知症の方の用法・用量となっています。
また、アルツハイマー型認知症の場合は②へ移行する方は、「高度のアルツハイマー型認知症」と診断が下りた方のみであり、症状により5mgまで減量できるという縛りはレビー小体型認知症のみとなります。(アルツハイマー型認知症は②の10mgに増量した後は、症状により適宜減量する。となっています)
【レビー小体型認知症におけるアリセプトの作用・副作用】
作用:認知機能の改善、認知症外の進行抑制
精神症状の抑制(幻覚、妄想、興奮)
上記のように良い作用のみが出た場合は、認知機能が改善され、問題行動につながる幻覚などの精神症状が抑えられ、穏やかに過ごす事ができます。
それでは、反対の意味の副作用はどうでしょうか?
副作用:怒りやすくなるなどの精神症状
消化器症状(食欲不振、吐き気、下痢)
消化器症状よりも深刻なのが、脳内のアセチルコリンという神経の活動が活発になりすぎることで、興奮したり、怒りやすくなるという点です。
この場合、ただ怒るだけならよいのですが、暴言・暴力などの攻撃性が出てきて介護者に危害を与えてしまうようになる場合があります。
ですので、アリセプトの処方については、主治医に服薬してからの状況を十分に説明をして、適切な用量の処方をしてもらう必要があります。
※副作用が強く出た場合には、次の受診日まで待たず、すぐに主治医に連絡をしましょう。
【レビー小体型認知症におけるアリセプトの見解の違い】
レビー小体型認知症の発見者である小阪憲司先生は、アリセプトについて
・アリセプトはアルツハイマー型以上にレビー小体型認知症において効果を示すことが知られている。 ・レビー小体型認知症に対する薬物療法において、アリセプトを第一選択として推奨している。 ・アリセプトは、認知障害の改善・進行抑制だけでなく、幻視や妄想、アパシー(感情がなくなった状態)などの症状にも有効。 |
以上の効果と、適切な処方を十分に行う必要性を説かれながら、アリセプトをレビー小体型認知症治療に進められています。
しかし、レビー小体型認知症患者へのアリセプトの大量処方を危険視している医師もいます。
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正しい知識を書籍から得て、家族が効かない薬漬けにならず、必要な薬を最低限処方され、最大限の効果が発揮できるように勉強をする時代がやってきたと思います。
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