
変動を伴う動揺性の認知機能障害や、繰り返し出現する幻視、パーキンソン病の様な動きを行うなどの症状が見られたら、レビー小体型認知症が疑われます。
その場合、認知症疾患医療センター、もしくは認知症の専門研修を受けた認知症サポート医や認知症かかりつけ医が在籍する医療機関で、認知症検査をしてもらう事が一番良いのですが、認知症の疑いの場合、本人が受診を拒否する場合がほとんどだと思います。
本人が受診をしない場合、レビー小体型認知症にかかっているかどうか、判断をする事ができずに、不安だけを募らせる事になると思います。
そのような時に役立つのが、レビー小体型認知症のテスト方法を、レビー小体型認知症を発見された小阪憲司先生が簡易なチェックリストとして作成されているので紹介します。
【レビー小体型認知症チェックリスト】 □ もの忘れがある □ 頭がはっきりしているときと、そうでないときの差が激しい □ 実際にはないものが見える □ 妄想がみられる □ うつ的である □ 動作が緩慢になった □ 筋肉がこわばる □ 小股で歩く □ 睡眠時に異常な言動をとる □ 転倒や失神を繰り返す |
上記の質問に5つ以上該当する場合には、レビー小体型認知症が疑われます。
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上記のレビー小体型認知症のテストを行った場合、5つ以上当てはまらなかったから、レビー小体型認知症ではない、という事は確実には言えません。
それなら、なぜ、このようなテストを行うのか?という質問があるかと思います。
実は、このようなテストを行った結果を、本人が通っている病院、例えば内科や整形外科の主治医に渡して、認知症の疑いがある事を伝えて、主治医から、認知症疾患医療センターなどの認知症専門機関に繋いでもらえるように提案を行う事が可能となります。
また、主治医は本人の状況を見るのは受診に来たときのみなので、実際に認知症症状をみていません。
ですので、病気の症状は伝えないと伝わらないという事を理解する必要があります。
「病気の事は先生に任せているから・・・」
と医師任せの医師頼みでは、認知症治療は一歩も進みませんので、レビー小体型認知症の症状がみられたら、証拠となる簡易テストを持って、認知症診断・治療を進めていただくよう提案をしましょう。
また、医師がどのような判断基準をもってレビー小体型認知症かどうかを判断しているのかという部分をお話したいと思います。
最新の医師の診断基準を要約した表がありますので、ご覧下さい。
【レビー小体型認知症(DLB)の臨床診断基準(第3回DLB国際ワークシップ)の要約】
※ヒューマンへルスケア エーザイ アリセプトホームページ レビー小体型認知症適応追加 判断基準より抜粋
監修を小阪憲司先生、東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学分野の教授、森悦朗先生、熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学分野の教授、池田学先生が行われています。
3つの中核的特徴にいくつ該当するのか、また、3つの示唆的特徴に該当するのかどうかという基準から診断を行うという事になります。
専門医へ受診する前に、どのようなプロセスでレビー小体型認知症の診断が下りるのか、理解を深める事が必要だと思います。
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