
レビー小体型認知症にかかった家族が、どんどん症状が進行して在宅で面倒を看ることが難しい時に思い浮かぶのは、対応している施設に入所させるという選択肢だと思います。
今回は認知症のなかでも、特に特別な症状を示すレビー小体型認知症の方が、入居できる対応施設を介護度や費用に応じた内容を現場目線からお届けしたいと思います。
基本的に自傷他害のおそれがないことが重要
一般的な介護施設では、本人が他者に危害を与える場合、もしくは自分自身で自分に危害を与える可能性がある場合には入所することは難しいと言えます。
もしそのような症状がある場合には、精神科への入院になる場合が多いです。
そのことを踏まえ、自傷他害が送るおそれがないことを前提に入所できる対応施設をお伝えします。
特別養護老人ホーム
こちらの特別養護老人ホームでは、要介護度3以上の場合に入所することが出来ます。
要介護度3以上となると、常に日常生活を送る上で介護が必要な状態という、レビー小体型認知症が進行した状態の片が入所できることとなります。
周囲の入居者も、ほとんどの方が重度の要介護状態である場合が多く、看取りまで視野に入れて入居される方がほとんどです。
費用の面で言うと、最も金銭負担は低く、低額の所得しかない方は居室料や食費など介護保険の対象外の部分が減額される対象になります。
一般的には10万円程度の利用料となりますが、減額が利く場合には4万円以下となるケースもあります。
ただし、入居者の待機数も多いのですぐに入れないというのがネックな部分です。
老人保健施設
老人保健施設では要介護度1といった、比較的に軽い介護度の状態から入居することができます。
こちらの老人保健施設と特別養護老人ホームの違いは、在宅復帰を目的として集中的にリハビリテーションを実施していくということになります。
高齢者の社会的入所が問題になっているなか、在宅と施設を行き来することで、本人の自立支援を行うということを前提に入所することとなります。
費用の面では、リハビリテーションに特化している分、特別養護老人ホームより2万円から5万円ほど料金が高くなります。
また特別養護老人ホームと同じように食費や居室料の減額の制度があるので、収入が低い方でも比較的に入所しやすい施設と言って過言ではないでしょう。
一般的な料金の相場は13万円から17万円程度といったところでしょうか。減額が効いた場合には、7万円から10万円程度の費用になる場合が多いです。
こちらのメリットとして、在宅復帰を目的にしているので、入所されている方の入れ替わりが特別養護老人ホームよりは多いために、入所しやすいという点があります。
グループホーム
グループホームでは、上限9名まで入所することができます。
入所した後には、同じ入居者とスタッフと共に共同生活を送ることで、認知症の進行を予防します。
こちらでは、要支援2という、軽い介護保険認定でも入所ができるという点がメリットとなります。
ですが介護度が重たくなると、特別養護老人ホームなどに転居しなければならないという場合もあるので、終の住処として最後まで過ごすことは施設にもよりますが難しい場合があります。
デメリットとして、特別養護老人ホームや老人保健施設のように入居料や食費の減額が適用されません。
なので一般的に12万円から17万円ほど負担できる金銭的ゆとりが必要になります。
介護付有料老人ホーム
こちらで入所できる介護度は施設によって違います。
簡単に言えば、お部屋を賃貸契約し、同じ建物内にある、介護保険サービス(デイサービスやヘルパー、もしくはすべてが一体になった小規模多機能ホーム)を利用することになります。
基本的に減額制度は実施されないので、料金は高額になります。
相場はコミコミで15万円から20万円といったところが多いようです。
要介護度が高い場合には、国からの報酬が比例して高くなるために、要介護3以上は料金が大幅に下がり、月に10万円程度で利用できる施設もあります。
要介護1なら最高で大体14万円程度の国からの報酬が出ますが、要介護3なら20万円以上の報酬を受けることができます。
これが料金が大幅に安くなるカラクリとも言えます。
全く異業種の法人が介護業界に参入していて、料金もですが介護の質もピンからキリまでという感じです。
レビー小体型認知症に対応する良い施設を探すには?
レビー小体型認知症に対応する良い施設を探すにはどうすればいいのでしょうか?
それは実際にその施設に足を運んで、施設の雰囲気を知ることです。
そして施設見学を行う際には、これまでレビー小体型認知症の方に対する介護の経験があるか実績を確認しましょう。
また、レビー小体型認知症について理解がどれくらいあるのか、連携可能な医療機関はどのようなところがあるのか聞いて反応を見ると良いでしょう。
介護業界は職員が流動しやすい業界なので、素晴らしい施設が数年したら、低レベルな介護サービスしか提供できなくなっている場合もあります。
もし、入居した後も、そこで安心するわけではなく、定期的に施設のケアの状況を確認するようにしましょう。
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